メガネ―性能を決める要素―レンズ設計―非球面レンズ
非球面レンズとは
非球面レンズの定義・意味・意義
非球面レンズとは、球面ではなく、カーブが変化する曲面からできているレンズをいいます。
非球面レンズには、外面非球面・内面非球面・両面非球面といった種類がありますが、単に非球面レンズという場合は通常、外面非球面を指しています。
非球面レンズの目的・役割・機能
1.収差の減少
レンズは球面が基本です。
しかし、度数が強くなるほど収差)が大きくなります。
そこで、これを防ぐために非球面レンズの研究・開発がされてきました。
2.薄さ
球面レンズではレンズを薄くするにはカーブを浅くすればいいのですが、それでは収差が大きくなります。
しかし、非球面レンズは収差を抑えてカーブを浅くして、レンズを薄くできます。
非球面レンズのメリットとデメリット
メリット・長所・利点・有利な点
1.収差・周辺部の歪みの減少
非球面レンズでは、収差が少なく、周辺部の歪み(ゆがみ)が少なくなると一般に言われています。
つまり、球面レンズよりも周辺部が自然に見えるということです。
しかし、度が強くなければ、球面レンズでも自然に見えます。
また、周辺部の歪みは、レンズのカーブの深さによって大きく左右されます。
カーブが深いほど、レンズは厚くなりますが、光学性能は上がって周辺部の歪みは少なくなります。
したがって、球面でカーブが深いレンズのほうが、非球面でカーブが浅いレンズより周辺部の歪みが少なくなる場合もあります。
中心のカーブの深さが同じであれば、非球面レンズのほうが歪みはわずかに少なくなります。
2.レンズの厚さを薄く・軽くできる
非球面レンズでは、レンズの光学性能をそれほど落とすことなく、カーブを浅くできます。
したがって、レンズの厚さを薄くして軽くすることができます。
現実的には、これが非球面レンズにする最大の理由で、非球面レンズ=光学性能が高いということではありません。
デメリット・短所・欠点・弱点・不利な点
価格が高い
レンズ周辺部の度数が弱くなる
非球面レンズではレンズ周辺部ほど若干度数が弱くなります。
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