岩石
岩石とは
岩石の定義・意味など
岩石(がんせき)とは、地殻・マントルや地層を構成する、鉱物(造岩鉱物)の集合体をいう。
参考:岩波書店 『広辞苑 第六版』。三省堂 『スーパー大辞林』。小学館 『日本国語大辞典』。小学館 『日本大百科全書』
岩石の分類・種類
- ①火成岩→地殻・マントルを構成
- 火山岩
- 玄武岩(げんぶがん)
- 安山岩(あんざんがん)
- デイサイト
- 流紋岩(りゅうもんがん)
- 深成岩
- かんらん岩
- 斑れい岩
- 閃緑岩(せんりょくがん)
- 花崗岩(かこうがん)
- 火山岩
- ②堆積岩→地層を構成
- 礫岩(れきがん)
- 砂岩(さがん)
- 泥岩(でいがん)
- 凝灰岩(ぎょうかいがん)
- 石灰岩
- チャート
- 珪藻土(けいそうど)
- ③変成岩
- ホルンフェルス←砂岩・泥岩から変成
- 大理石←石灰岩から変成
- 結晶片岩(けっしょうへんがん)
- 片麻岩(へんまがん)
岩石の位置づけ・体系(上位概念等)
地球
「水の惑星」である地球は「石の惑星」でもある。
藤岡 換太郎 『三つの石で地球がわかる』 講談社、2017年、25項。
- 地殻
- 大陸地殻
- 上部…花崗岩(深成岩)
- 下部…玄武岩(火山岩)
- 海洋地殻…玄武岩(火山岩)
- 大陸地殻
- マントル…かんらん岩(深成岩)
参考:『改訂版 フォトサイエンス地学図録』 数研出版、2018年、38項。
地球全体の体積のうち、かんらん岩が占める割合は82.3%で、玄武岩と花崗岩は足しても2.3%にしかならない。
しかし、日常でかんらん岩を目にすることはほとんどなく、見ることが最も多いのは花崗岩で、次が玄武岩である。地殻を構成している岩石は花崗岩と玄武岩で、地球の表面に露出しているからである。
藤岡 換太郎 『三つの石で地球がわかる』 講談社、2017年、38項。
なお、1950年代になり太平洋や大西洋の地形や岩石についての研究が進んで初めて海洋底が玄武岩でできていて花崗岩からなる大陸の地殻とは全く違っていることなどが分かってきた。
参考:左巻健男ほか4名 『系統的に学ぶ中学地学』 株式会社 文理、2020年、16項。
岩石と関係する概念
類似概念・類義語
石・岩
「石」や「岩」という用語は「通俗的な名称」であり、また、両者の区別は明確にはない。
地学では石と岩も含めて「岩石」という用語を使用する。
参考:藤岡 換太郎 『三つの石で地球がわかる』 講談社、2017年、15項。
岩石から派生する概念
造岩鉱物
マグマ
マグマはマントル上部にある岩石(かんらん岩)が溶けて液体状態になったものである。
参考:小学館 『日本国語大辞典』。左巻健男ほか4名 『系統的に学ぶ中学地学』 株式会社 文理、2020年、38項。
そして、マグマは火山噴火の原因となり、さらに火山噴火から火山ができる。
岩石の形成・起源
水成論と火成論
18世紀、岩石の起源をめぐって水成論と火成論の対立があった。
水成論はヴェルナーが主張した説で、玄武岩や花崗岩などすべての岩石は、海底に沈殿した物質が水の作用で堆積してできたものであるとする説である。
火成論はハットンが主張した説で、玄武岩や花崗岩は地下にある高温のマグマが冷えて固まったものであり、つまりは火の作用によりできたものであるとする説である。
結局、勝利したのは火成論で、これにより玄武岩や花崗岩はマグマが冷えて固まった火成岩であるという考えが定説となった。
ただし、水成論の考え方でできる岩石があることも認められ、それらは堆積岩と呼ばれるようになり現在に至っている。
藤岡 換太郎 『三つの石で地球がわかる』 講談社、2017年、65-66項。
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