露出―決定要因―①絞り―F値(絞り値)
F値とは 【F-stop; F-number】
F値の定義・意味など
F値(エフち)とは、レンズを通して取り込む(露出する)光の量を調節する穴=絞りの大きさを示す値をいう。
F値の別名・別称・通称など
絞り値
F値は絞り値(しぼりち)ともいう。
F値の具体例
- F1
- F1.4
- F2
- F2.8
- F4
- F5.6
- F8
- F11
- F16
- F22
- F32など
用語の使用例
F値が小さい・F値が大きい
F値と絞りとの関係
F値は絞りの穴の大きさを示す値であるが、語感とは異なり、両者は反比例の関係にある。
F値を下げる・F値を上げる
F値を小さくする(絞りを開いて絞り穴を大きくする・開放する)ことを「F値を下げる」、F値を大きくする(絞りを閉じて絞り穴を小さくする)ことを「F値を上げる」ともいう。
F値の目的・役割・意義・機能・作用など
F値を変更して取り込む光の量を調整することができる。
これにより、写真に次の効果を生む。
露出の決定要因
F値は、シャッタースピード・ISO感度とともに写真の明るさである露出の決定要因のひとつである。
F値を小さくする(絞りを開く。絞り穴を大きくする)ほど取り込む光の量は多くなり、写真は明るくなる。
逆に、F値を大きくする(絞りを閉じる。絞り穴を小さくする)ほど取り込む光の量は少なくなり、写真は暗くなる。
F値とシャッタースピードとの関係
たとえば、F値を小さくしすぎる(絞りを開きすぎる)と取り込まれる光の量は多くなるが、写真が明るくなりすぎるので、シャッタースピードを早くして、適切な露出(写真の明るさ)にする。
このように露出はF値とシャッタースピードとの組み合わせによって決まり、同じ露出になる組み合わせは何通りも存在する。
伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、71項。
被写界深度の決定要因
同じ露出になるF値とシャッタースピードの組み合わせは何通りも存在するが、この組み合わせにより、F値ではボケ味、シャッタースピードでは動きの描写性に違いが出てくる。
このボケ味と動きの描写性をどう表現したいかに応じて、ベストな組み合わせを選択する。
伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、71項。
ボケ
F値はピントの合う範囲=被写界深度、したがって、ボケに一番大きく影響する機構である。
F値を小さくする(絞りを開く。絞り穴を大きくして写真を明るくする)ほど被写界深度が浅くなってピントの合う範囲が狭くなり、ボケは大きくなる。つまり、ピントの位置前後のボケが大きくなる。
逆に、F値を大きくする(絞りを閉じる。絞り穴を小さくして写真を暗くする)ほど被写界深度が深くなって手前から奥までピントの合う範囲が広くなり、ボケは小さくなる。つまり、画面全体がはっきりと写る。
以上、伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、84項参考。
すなわち、F値を大きくするほど、またレンズの焦点距離が短いほど被写界深度は深くなる。
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