露出―決定要因―①絞り
絞りとは 【aperture】
絞りの定義・意味など
絞り(しぼり)とは、CCDやCMOSなどの撮像素子(デジカメの場合)やフィルムなどの感光材料(銀塩カメラの場合)といったカメラの受光部にレンズを通して取り込む(露出する)光の量を調節する穴をいう。
カメラで「絞り優先」を「A」で表すのは、aperture(絞り)の頭文字からきている。
絞りの単位
F値(絞り値)
用語の使用例
絞りを開く・絞りを閉じる
絞り穴を大きくすることを「絞りを開く」、小さくすることを「絞りを閉じる」と表現する。
なお、絞りの穴の大きさとF値は語感とは異なり、反比例の関係にある。
すなわち、F値が小さいほど絞りは開き、絞り穴は大きくなる(→開放F値)。
逆に、F値が大きいほど絞りは閉じ、絞り穴は小さくなる。
絞りの目的・役割・意義・機能・作用など
絞りは穴の大きさ=F値を変更して取り込む光の量を調整することができる。
これにより、写真に次の効果を生む。
露出の決定要因
絞りは、シャッタースピード・ISO感度とともに写真の明るさである露出の決定要因のひとつである。
絞り穴を大きくする(F値を小さくする)ほど取り込む光の量は多くなり、写真は明るくなる。
逆に、絞り穴を小さくする(F値を大きくする)ほど取り込む光の量は少なくなり、写真は暗くなる。
絞りとシャッタースピードとの関係
絞りとシャッタースピードとは相関関係にある。
たとえば、絞りを開きすぎると取り込まれる光の量は多くなるが、写真が明るくなりすぎるので、シャッタースピードを早くして、適切な露出(写真の明るさ)にする。
このように露出は絞りとシャッタースピードとの組み合わせによって決まり、同じ露出になる組み合わせは何通りも存在する。
伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、71項。
被写界深度の決定要因
同じ露出になる絞りとシャッタースピードの組み合わせは何通りも存在するが、この組み合わせにより、絞りではボケ味、シャッタースピードでは動きの描写性に違いが出てくる。
このボケ味と動きの描写性をどう表現したいかに応じて、ベストな組み合わせを選択する。
伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、71項。
ボケ
絞りはピントの合う範囲=被写界深度、したがって、ボケに一番大きく影響する機構である。
絞りを開く(絞り穴を大きくして写真を明るくする。F値(絞り値)を小さくする)ほど被写界深度が浅くなってピントの合う範囲が狭くなり、ボケは大きくなる。つまり、ピントの位置前後のボケが大きくなる。
逆に、絞りを閉じる(絞り穴を小さくして写真を暗くする。F値(絞り値)を大きくする)ほど被写界深度が深くなって手前から奥までピントの合う範囲が広くなり、ボケは小さくなる。つまり、画面全体がはっきりと写る。
以上、伴貞良 『今すぐ使えるかんたんmini SONY RX100 基本&応用 撮影ガイド[RX100IV/RX100III/RX100II/RX100完全対応]』 技術評論社、2016年、84項参考。
すなわち、絞りこむほど、またレンズの焦点距離が短いほど被写界深度は深くなる。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 16 ページ]
- 露出(露光)
- 露出―分類―標準露出
- 露出―分類―標準露出―測光モード(測光方式)
- 露出―分類―標準露出―測光モード(測光方式)―マルチ測光(マルチパターン測光)
- 露出―分類―標準露出―測光モード(測光方式)―中央重点測光
- 露出―分類―標準露出―測光モード(測光方式)―スポット測光
- 露出―分類―標準露出―測光モード(測光方式)―ハイライト重点測光
- 露出―分類―適正露出
- 露出―分類―適正露出―露出オーバー
- 露出―分類―適正露出―露出アンダー
- 露出―単位―露出値(EV)
- 露出―決定要因―①絞り
- 露出―決定要因―①絞り―F値(絞り値)
- 露出―決定要因―②シャッタースピード(シャッター速度)
- 露出―決定要因―③ISO感度
- 露出―露出補正
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ